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歯みがきのこと

BRUSHING

BRUSHING
歯みがきのこと
食べたらみがく 飲んだらゆすぐ
口の中に食べ物が残っている時間を短く

食事のあと、食べかすを口の中に残したままにしておくと虫歯ができやすくなります。食べたらすぐ歯をみがく習慣をつけましょう。口の中に食べ物が残っている時間を短くすることが大切なので、ダラダラ食べ続けないようにしましょう。

でも、小さい子どもは胃袋も小さいため、間食は大切な栄養補給の場です。ですから、ただ単におやつを与えるのではなく、きちんと一日の栄養を考えて、3回の食事で取りきれない分の栄養補給をする意識であげましょう。

そして、間食の後も食べたらみがきましょう。ジュースを飲んだ後も、ぶくぶくお口をゆすぐ習慣をつけましょう。お茶や水なら基本的には不要ですが、習慣をつけさせるためにゆすがせましょう。

歯ブラシについて

なるべく小さいうちから、自分で歯ブラシを持つ習慣をつけさせましょう。
小さいうちは上手にみがけなくて当たり前です。食べたらみがくという習慣をつけさせるためですので、
自分できれいにみがけなくてもよいのです。家族の歯ブラシを持つ姿を見せるのも効果的です。

仕上げみがきについて

歯ブラシは、子どもが自分で持つ歯ブラシの他に、お母さんの仕上げみがき用を用意します。この仕上げ用の歯ブラシは子どもに持たせると、歯ブラシをかじってしまったりしてすぐに毛先が開いてしまうので、子どもには持たせないようにします。
子どもが歯ブラシをいやがる最大の理由は「痛い」からです。おそらく、仕上げみがきで歯ぐきをゴシゴシこすられて、歯ブラシは痛いものだと覚えてしまうからでしょう。こんなことにならないように、気をつけてください。

歯ブラシの種類は特に決まりはありませんが、できるだけブラシ部分が小さいものを選んでください。市販の歯ブラシには「幼児用」とか「小学生低学年用」とかの表示がありますが、大きすぎる傾向があります。実際の年齢より低いもののほうがいいでしょう。

大きな歯ブラシでおおざっぱにみがくのではなく、「左上の奥から2番目の噛む面をみがいているんだ」と、場所をねらってみがくことを覚えさせることが大切です。
仕上げも同様に、場所を把握しながらみがいてあげてください。

糸ようじについて

糸ようじを使う場所は全ての乳歯の間ですが、乳歯が全部そろっている(全部そろうと20本です)お子さんの場合、主に一番奥の2本の間です。
最近は正常な生え方をしているお子さんは少なくなってきているようです。すきまの全くないお子さんも珍しくありません。もし乳歯のすきまがないようでしたら、いっそう気をつけて歯の手入れをしなくてはなりません。糸ようじを使って歯と歯の間にはさまっているものをとってあげましょう。

糸ようじは仕上げみがきの歯ブラシを使う前に使います。糸ようじで歯と歯の間の汚れを浮き出させ、そして歯ブラシで取り除く、そんなイメージで使いましょう。

歯みがき粉について

私は、それほど歯みがき粉をすすめていません。なぜなら、歯みがき粉でみがくのではないからです。本当は歯ブラシで「みがく」のでさえありません。正確には歯ブラシで「汚れを落とす」だけなのです。最近の歯みがき粉は研磨剤成分が減ってきていますが、それでもゼロではにものが大多数です。長くみがくうちに、研磨剤で歯が削られてしまうこともあります。また、歯みがき粉を使うと適度に泡立っていい味がしてくので、みがいた気分になりますよね。こもこれは、本当に汚れが落ちているのとは違います。

お子さんたちが自分でみがく場合も基本的には同じです。お子さんたちが歯みがき粉をつけてみがくと、仕上げみがきのときも口の中に残った歯みがき粉が泡立って、みがきにくくなります。ただ、歯みがきを楽しむ道具として、味つきのものを使うのは、親御さんの判断で使っていただければいいと思います。

口内洗浄液について

「お口の中をゆすいで洗浄する」という名目で各社からさまざまな洗浄液が売られています。
こうしたものでお口をゆすいでいれば、大丈夫だと思いますか?たとえば洋服などの場合でも、洗剤につけておくだけでは十分に汚れはお落ちませんよね。 歯をきれいにするのも基本的には同じです。ブラシでていねいに食べかすなどの汚れを取らないと、きれいになりません。 洗浄液は、補助として使いましょう。

むし歯になりやすい場所をみがく

口の中には、むし歯ができやすい場所と、そうでない場所があります。むし歯ができやすい場所とは、つまり汚れがたまりやすい場所です。どれもくぼんでいて歯ブラシが届きにくい場所ですね。
そういうところに注意しながらみがきましょう。

むし歯ができやすい場所
● 歯と歯の間
● 奥歯の噛みあわせの溝
● 歯のつけ根

子どもがイヤがらない歯みがきのしかた

子どもは、比較的歯みがきをいやがります。また、口の中に何かを入れられるのもいやがります。ただしこれはまだ物心がつく前の幼い頃の話です。3歳、4歳になっても、お母さんの仕上げみがきをいやがるのはなぜだと思いますか?
たとえばそれは、むし歯で歯に穴があいていて歯ブラシが当たると痛いからかもしれません。よく、お口の中を見てあげてください。あるいは、歯医者さんに連れて行って見てもらいましょう。もうひとつ、子どもが仕上げみがきをいやがる理由があります。それは、力加減です。つい、

お口の中を必死に歯ブラシでこすってませんか?
歯ブラシを掃除機を使うときのような強い力で握ってませんか?
そして、その力で歯ぐきをゴシゴシこすってはいませんか?

歯ブラシは、塗り絵をするときの色鉛筆を持つ程度に、そっと持ってください。そして、お口の中もゴシゴシこすらず、歯についている汚れを毛先で払い出す感じで軽く動かします。そうすればきっとお子さんたちも嫌がらずにお口を大きく開いてくれるでしょう。

歯みがきを楽しい習慣に

「軽くブラシを動かす」ことに加えて、楽しい雰囲気をつくることも大切です。お母さんは、きまじめな顔でお口の中をのぞかずに、ニコニコとしましょう。音楽をかけたり、歌を歌ってあげたりしてもいいですね。
そして、時間もなるべく短くしてあげましょう。
もしも1度の仕上げみがきで全部みがけないなら、朝は上、夜は下など分けてあげるのもいいかもしれません。
とにかく子どもに、歯みがきを生活の中の楽しいことのひとつと思ってもらいましょう。